大人の発達障がいについて取り上げられることが増えたように感じます。
先日は、大阪社労士会の支部イベントで、精神科産業医の先生の講演をお聞きする機会に恵まれました。
発達障がいは、生まれつきの脳の障がいということですが、その原因についてはわかっておらず、研究の歴史も浅いためまだまだ分からないことだらけだそうです。それでも現在は幼児期の検診でほぼ3歳までに発見できるようになっており、これからは「大人の発達障がい」と言われる人たちは減っていくものと思われます。
先生のお話で心に残ったこと。よく凸凹と言われる発達障がいの特徴について、その凸を生かして世の中で活躍しているはたくさんいる(シリコンバレーなんか行ったら発達障がいの人ばっかりだよ)。でもこの人たちは「障がい者」とは言われない。凸凹が特性になっているんだ。凸凹によって問題が生じて初めて障がいになる。だから、この人たちに仕事をしてもらう時は、「障がい」にならないような仕事をやってもらうことが重要なんだよ。
私たち周囲の人間は、腫れものに触るように接する必要はなく、率直に助けてほしいこと、整えてほしい体制を聞いたらいいんですね。そうやって、なんとかその方たちが「特性」を生かして活躍できるよう知恵を絞ればいいんです。理解しようと努力するよ、寄り添っていくよという姿勢を見せることが大事なんだと改めて感じました。一般的に発達障がいの方たちが向いている仕事は、IT関係(SE)、逆に苦手なのが営業なんだそうです。
もう一つ、先生のお話を聞いて合点のいったことがありました。
発達障害は、生まれながらの病気でありながら、障害年金において知的障害と異なり初診日を生まれた日とはしません。あくまで(ほかの多くの傷病と同様に)初めて病院にかかった日が初診日です。この知的障害との違いはなんだろうと思っておりましたが、発達障害は最初から障害ではないんですね。その行動言動が社会生活上のトラブルのもととなった場合に初めて「障害」になるということ。だから、その後初めて病院にかかった日を初診日とするのでしょう。よって、発達障害では、初診証明のハードルを超えないと請求ができませんが、初診日時点でお仕事をされていれば厚生年金を受給できる可能性がある。対して知的障害はたとえ働き始めてから病院にかかったとしても初診日は出生日。初診証明の必要はないけれど、基礎年金しかもらえないというジレンマが発生します。
面白いドラマを見つけました。
「リエゾン ~こどものこころ診療所~」金曜夜11:15~ テレビ朝日
こどもの発達障がいを取り上げているようで、実は周囲の大人の障がいにもスポットをあてています。山崎育三郎の医師役もかっこいいです! 「光とともに・・・」もまだ読み終わってないけれど、こちらの原作漫画も気になります。